────”彼女”が次に目を開けたのは、冬の日の事だった。
秋の月に照らされた願望(イノチ)は、涼しすぎる深海から初立ちを遂げる。
水底(ソコ)には何も残らない、筈だった。だったというのに。
”残滓”はその姿を残したまま、浜辺に流れついていた。
《 概要 》
防空埋護姫、拾われた鎮守府で彼女は”マイ”と呼ばれており、 その呼ばれ方に慣れているのか、自らも他人にマイと呼ぶよう勧めている。
口数、表情、感情。どれも無とまでは言わないが、全体的に薄め。
艦娘や提督に対して怨嗟の念は一切ない。彼の戦いで憑物が落ちたようで。 かと言って深海棲艦に関心がないわけでなく、同類の認識自体はある。
《 目的 》
即嵌鎮守府に顔を出すようになった理由は、感情と情欲を学習・共感・理解する為である。
彼の日の戦いで全てを出し尽くした影響からか。次に目覚めた時、その心は空洞のようで。 拾われた鎮守府による介抱のお陰で知識ある程度身に着いたが、感情の機微には疎いままであった。
『多くの人達に触れ感情と情欲を学び習い、共に感じることで、世の理を解ってもらう。』
──といった提督の方針からであった。勿論、性的快楽も学んで来いとの事だ
《 外見 》
外見については、瑠璃色のチョーカーを着用している他に大きな変わりはない。
このチョーカーは変声器・発声器のような物で、深海独特の発音を聞き取り易くしている。 また、うなじ側にはベルトフックが付けられており、そこに小さな鍵が掛けられている。
深く被ったフードから覗く金色の瞳、白い肌と髪はそのままで。 身長は駆逐と軽巡の間程。拾われてからの生活が良いのか肉付きも良好。
腕の鎖についてはそのまま着用中である。曲がりなりにも深海棲艦であることは間違いなく、 「自鎮守府ならまだしも、色んな方々の集う鎮守府では一応」という配慮からだそうで。 個室内で相手の許可すれば、チョーカーに掛けられた鍵で錠前を外し、拘束を解くことも出来る。
また、滅多にない話しだろうが、本人がその気になれば艤装は展開できる。 しかし、火器性能は著しく劣化しており、見た目での威嚇や演習相手程度にしかならない。
《 嗜好 》
目的の通り、他人に気持ちいいと思うことを教えてもらい、実践する。
受けでも攻めでも。「こうすると気持ちがいい」「こうされると気持ちがいい。」 そんな風に教えられ、実践することで自分を確立していくことを目的としている。
不感症というわけではないが、最初はよくわからない為に反応が薄くなりがち。 相手の相性や慣れ次第では次第に良く反応し、最終的には自分から求めることも。
また、ふたなりは学習用に生やせるようにしただけのもの。 普段は格納されており、要求された時にだけ準備する。
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